中年からのピアノ初心者は独学でもマスターできるのでしょうか。あるいは先生に付いてレッスンを受けた方がいいのでしょうか。ある程度、歳を取られた大人の方が趣味でピアノを始めようとするときに誰もが感じる迷いです。
実は、あなたの状況によって、どちらも「あり」なんです。このページでは、そんなあなたがもう悩まなくていいように、しっかり情報をお届けします。
まずはそれぞれのメリット、デメリットを整理します。
中年からのピアノ初心者が独学で進める場合
ピアノ初心者が独学で進める場合のメリットは次の通りです。
- 自分の都合のいい時に、自分のペースで弾くことがができる。
- 自分の好きな曲、弾きたい曲で練習を進めることができる。
- レッスン料が不要
独学の一番の魅力はマイペースで進められること。学生さんなどと違って仕事など時間の制限の多い社会人にとっては、時間のやりくりがきくのはありがたいです。
バイエル、ブルグミュラーなど教本の楽譜の読み方、コードの弾き方など、今では楽器の初心者向けの本、CD、DVD、動画などの教材が豊富で、グランドピアノは無くても手頃なデジタルピアノ(電子ピアノ)でもあれば独学の環境は整っているといえます。
一方、独学には次のようなデメリット(問題)もあります。
- ピアノに取り組む目的や、習熟度(レベル)ごとの達成期間などの自分なりの目標をもって進めないと、途中で挫折しやすい。
- 練習中に不明な点が出てきても質問できる人が近くにいないため、解決できず挫折しやすい。
- 自分に合った効率的な練習法やアレンジが分からなかったり、お手本が無いなどで上達に時間がかかる。
- 練習曲の選曲が偏りやすい
- チェックしてくれる人がいないまま練習を続けるので自己流の演奏方法(奏法)が定着してしまう。
- 次のステップへ進むタイミングは自分で判断するので、段階ごとの習熟度がバラつきやすい。
- ピアノ以外にもメトロノームなどの小物類も自分で用意する必要がある。
独学で怖いのは、一人で進めるために間違いに全く気づかずに悪い癖がついてしまうことです。
それを防ぐには時々は人前、できればピアノの出来るピアニストの人の前で演奏して客観的に見てもらうことも必要です。
先生についてレッスンで習う場合
専門の先生について生徒として基本から講座レッスンを受けるメリットは、なんといっても効率的に無理なくステップアップできること。
詳しくは以下の内容です。
- 目の前でお手本を見聞きできる。
- 練習を見ながら的確なアドバイスをもらえるので初級からの上達スピードが早い。
- 不明な点を聞くことができるので途中で挫折しない。
- 選曲が自分好みに偏らず、いろいろな曲にチャレンジできる。
- 毎回のピアノレッスンや発表会に合わせて練習するので練習のペースを作りやすい。
やはり直接、指導を受けられるので、練習中にその場で間違いを指摘、解説してもらえたり、疑問点に答えてもらえます。
とくに男性の方など最初は恥ずかしいかも知れませんが、正しい弾き方や両手の動きを効率よく修得できるのが特徴です。
大手の音楽教室(ピアノ教室)や、著名で恐れ多い音大の偉い先生である必要もありません。
しかし、そこにはデメリットもあります。
- レッスン料(月謝)が必要
- 決まった日時にレッスンに通わなければならない。
- 数多い中から体験レッスンなどを通して自分に合った先生(教室、コース プログラム、優しい/厳しいなど)を見つけなければならない。
- あまり興味のない楽曲も練習しなければならない。
- 次のレッスンまででの課題を出されると時間的に負担になりやすい。
- 講師に頼る姿勢がなかなか抜けない。
ピアノ独学のためのオススメ教材
最後に独学のための役立つお薦め教材を、いくつか紹介しておきますので、こちらも参考にしてみてください。
楽譜(譜面・音符)を読めるようになるための教材
音符カード(フラッシュカード)
楽器店などで購入できます(アマゾンでも購入できます)。または無料でダウンロードできるサイトもありますので印刷して使うこともできます。
スマホアプリ
今では数々のアプリがあります。ここに一例を紹介しておきます。
音符クイズ、iDokufu、「音名」バスティン・ピアノフラッシュカード(以上 iphone)、おんぷちゃん、楽譜マスターLite(以上 Android)
各々の指を独立して動かせるようになるための専門書
ピアノ初心者には難関ですが、コードネームも暗記して根気よく何度も基礎のパターンを反復練習でトレーニングしましょう。
次のようなテキストが参考になります。
- 中高年のためのピアノ入門 指の体操 1
- おとなのためのテクニックマスター(1)(おとなのためのピアノ教本)
鍵盤から目を離して弾けるようになるための専門書
なるべく早い段階から指を鍵盤に馴染ませて手(右手、左手とも)に鍵盤の幅を覚えさせましょう。
次のような本が参考になります。
- ブラインドタッチで弾ける おとなのための楽しいピアノスタディ(1)
まとめ
レッスンに通うだけのお金と時間があるなら、はじめのうちは、専門家の先生についてピアノのレッスンを受けた方が、長い目で見た場合、しっかりとした実力が身に付き自信も持つことができます。
これに対して独学でピアノを習う場合は、自己流の練習の軌道修正のためにも、実力の客観的な評価を得て自信を持つためにも、ときどきは大変でもピアノの専門家など自身の演奏を他の人に見てもらえる機会を持つようにしましょう。
その点に気をつければ独学でも十分にピアノを上達させ形にすることはできます。ハノンなど美しいクラシックのピアノ曲など、たくさん弾けるようになります。
リードシートを使って、ジャズピアノでジャズを弾いたり、ポピュラーのメロディーを弾けるようになります。
私の経験から言いますと、大人なので手の動きなどの上達スピードは子供には及ばない感じかも知れませんが、逆に譜面の読み方や音楽の知識、一つ一つの音の意味の理解など、大人の方が優れている点もたくさんあります。
自信を持ってチャレンジしてみましょう。